この度は昇段審査受審の機会を与えて頂いた高見総師、高見最高範士、中里師範ありがとうございました。
受けると決めてからは帯を「貰う」のではなく、「取りに行く」気持ちで稽古に取り組みました。コロナ禍で道場での稽古もできない時期がありました。しかし、できない理由を探すのではなく、「やる」と決め、どうすればできるのか考えると、どんな場所でも稽古することができました。入門(当時小学3年生)から19年を迎えますが師範からは年月よりも何を学び、どのように実践し、何を残してきたかという中身が大事だと教わりました。また、道場でご指導して頂いたことを社会でも活かすことが、武道教育の一環でもあるとご指導して頂きました。その教えである向上心、忍耐力、継続力は保育士になった現在でも活かされています。
努力した者にしか見えない景色がある。師範の言葉通り国際親善空手道選手権大会では、一番高い場所の最高の景色を見ることができました。努力しても必ず報われるとは限りませんが、努力しないと報われることはありません。悔しさは時間と共に薄れていってしまいますが、その時の悔しさを忘れずに本気の努力をしていきたいです。
強さを求めていくうえでは、楽しいことだけではなく痛みや苦しみも伴います。しかし、それはその時だけで永遠に続くものではありません。私に守りたい人(犬)ができました。愛犬のちょびです。家に帰れば、ちょびが全力で喜んで迎えてくれます。私にしか守れない大事な人(犬)を守れるように強くなりたいと改めて思い、稽古に励んでいます。ちょびのお陰で幸せな動物だけではなく、動物の永遠に続く苦しみ、痛みを知りました。虐待される動物、殺処分、パピーミルなど調べれば調べるほど知らなかったことが色々出てきて、叩かれる蹴られる痛みを知っている分、余計に悲しくなりました。人でも動物でも命の重みは変わらず、あってはならないことだと思います。私が見てきた「強い人」とは、自分のためだけに生きる人ではなく、誰かのために生きることができる人が「真に強い人」です。それは家族や仲間、動物の事や仕事などあらゆる局面で、体や心の痛みを分かる人だと思います。空手も知っているようで、奥が深く知らないことだらけです。基本の見直しから移動稽古の体の使い方まで今まで染み付いた動作を修正することは難しかったです。しかし、毎月師範が最高範士からご指導して頂いたことをわかりやすく説明してもらい反復することで、やっている事の意味や基本の重要性を改めて理解しながら稽古することができました。そのお陰で本番に向けての不安要素を払拭し、程良い緊張感を保ちながら集中力を切らすことなく最後までやり遂げることができました。師範は今回の昇段だけでなく、日頃の稽古や大会においても目的と目標を明確に示し、具体的にどうすればいいかを常に見直し練り直して進むべき方向に軌道修正してくれます。また、道場生の目線に立って、物事を組み立ててくれるその姿勢に気付くことができた人は、意識が変わり行動が変わっていきます。師範が稽古後お話しされる講話は、空手を学ぶにあたり必要なことや人生において大切なことを、自身の失敗体験も踏まえて語ってくださります。私たち弟子を明るく元気に前向きな気持ちにさせてもらい、「もっと頑張ろう」と心の励みになった人は私だけではないと思います。自分がこうしたい。こうしなければいけない。と思うことは誰にでも簡単にできます。しかし、それを行動にできないことが多いので、思うだけでなく、思ったことを行動に移していけるようにしていきたいです。
最後にこの度の昇段審査に至り、コロナ禍のなか遠方からご協力、応援に来てくださった皆様本当にありがとうございました。そして、時間と労力を費やしてご指導して頂いた中里師範に心より感謝いたします。これまでの空手人生のなかでたくさんの思い出や節目もありました。参段という段位の重さに巻かれるのではなく、人間的にももっと成長し進歩していけるよう精進していきたいです。私が受けてきた恩を空手だけではなく、周りの人たちにも返していけるよう心掛け今後も私が「信じられる道」を邁進していきたいと思っております。押忍