早いもので、素晴らしい師匠と空手の仲間に出会って二十四年が経ちました。お陰様でその間、心身共に健康で充実した日々をすごさせて貰っております。
平成最後という記念すべき時期にこの度、昇段受審の機会を与えて頂きました事を誠にありがたく存じます。
思い起こせば三年半前の事でした。空手人生最後の挑戦だと思い、参段の受審をさせて頂きました。
幸い認可を頂きまして、決意をした事があります。それは、高齢である自分を自覚しての事。「身体を衰えさせず、八十歳まで稽古を続ける」と言う事でした。
その自分との誓いは、自分なりに守り続けて来たと思います。
そんな中、高見最高範士より思いも寄らない四段受審のお話をいただきました。余りにも突然の事で返す言葉も得られず、ただ「前向きに考えてみます。」とだけお応え致しました。
一人になって考えてみたものの、やはり不安ばかりが浮かびます。「参段の時でさえ大変だったのに、四段に相当する動きが出来るだろうか?」「審査当日の重圧や緊張を乗り越えられるだろうか」そんな事を考えていると、熟睡できず朝を迎えた日もありました。その頃の稽古はと言うと、四段受審の事がいつも頭から離れず却って、以前より動きが鈍く感じられたり、年齢のためか疲れが取れ難いような日もあり、だんだん焦りを感じるようになりました。
これではと気持ちを入れ替え「高見最高範士にご指導頂いた今までの復習!」として正しい動きを心掛けて審査に備えました。
審査当日、体調はあまり良くない状態でしたが、高齢を感じさせない気迫と動きを心掛けたつもりでしたのに、いざ始まってみると今までに感じた事のないプレッシャー、重圧感で思うような動きが出来ませんでした。特に三戦の形の際、自分が何をやっているのかも、一瞬わからないくらいに頭が真っ白になりました。五十四歩の形の頃にやっと平常心を取り戻し本来の動きが出来たと思いました。改めて空手の難しさや奥深さを知りました。
この度の反省と共に、経験を稽古にも指導にも活かして行きたいと思います。
高見成昭総師、高見最高範士には二十数年間もの長い間、根気よく熱心に御指導して頂きました。お陰様で高齢乍らも此処まで達し得る事ができました。心より有り難く感謝申し上げます。
後になってしまいましたが、審査を完遂できました事、また『四段位』を認可して頂きました事、誠にありがとうございました。勿体なく存じます。
そして各道場の師範、先輩の皆さんには、日頃より励ましの言葉を掛けて下さり、当日も大変お世話になりました。お陰で審査を無事に終える事が出来ました。
それから、共に審査に挑戦した久枝師範代(森松)、畠山師範代(宇和島)、熊田師範代(本部・市坪)、竹本指導員(住吉)の皆さんもお疲れ様でした。皆さんの若い力を借りて完遂する事が出来ました。ありがとうございました。
最後になりましたが、最高範士はじめ本部道場の皆さん、色々とありがとうございました。これからも基本を大切に「継続は力なり」を胸に皆さんと共に精進して参りたい思います。今後共、御指導を頂きます様お願い申し上げます。押忍