この度、昇段合宿という機会を与えていただき、先生及び協力して下さった道場生の皆様に感謝いたします。
私が空手を始めたきっかけは、体育館に通う空手着姿の生徒さんを仕事帰りに見かけ、道場見学に行ったことです。そこで、先生と生徒さんが汗を流して、一生懸命に空手と向き合っている姿を目にして感銘を受けました。
おそるおそる先生に尋ねると快く受け入れてくださいました。それが私と空手道との出会いでした。
しかし、いざ道場に通い始めてみると自分の体力のなさを痛感し、空手道の奥深さに戸惑うばかりでした。このまま続けられるのかと心配でした。
けれども焦ってはいけないと自分の気持ちを見詰め直し、まず一年間続けてみようと決めました。
一年が過ぎた時、次はここから三年と目標を立てました。
一年二年と練習に打ち込むうちに、週二回の道場での練習時間が掛け替えのないものとなり体力もついてきました。
昇級審査も先生に薦められるようになり、昇級する度に「これでいいのだろうか」と反省するようになりました。時には、昇級受審を薦められても断る自分がいました。
それは、もう少し自分を高めてからという思いがあったからです。
今回、先生から昇段審査のお話をいただき“ブラックベルト”に挑戦してみようと決意しました。
審査に向けて道場での練習だけでなく、自主トレーニングの時間もとり入れる事にしました。
練習のない曜日、仕事帰りに体育館の道場で自主トレーニングに励みました。
仕事、道場、自主トレーニングが一週間のメニューになりました。
そうして迎えた昇段審査会の朝、空手を始めて十五年、やっとこの日を迎える事ができたと感無量でした。
これまでの昇級審査とは雰囲気が異なり、壮年部だけの昇段審査ということで、黒帯の先輩方に混ざって、自分が受審するということに緊張感が高まりました。
けれども、これまでの先生のご指導、仲間との日々、励んできた練習を信じて落ち着いて最後までやり遂げることができました。
審査の後、最高範士、各支部の先生方の温かい言葉に触れ、空手道場は技能だけではなく人を育てる場所であることを実感しました。
初段の合格通知が届き、今やっとスタートラインに立てた気持ちです。
これからも人として、空手道を通じて体力の続くかぎり高みを目指していきたいと思います。
最後に高見最高範士、中里先生、協力してくださった道場生の皆様、ありがとうございました。押忍