愛媛県/松山市の空手道場|一般・女子・壮年・こどもカラテ教室/護身術・武器術 見学/体験可 ★━━・‥…

2019年 壮年部昇段審査会・黒帯セミナーレポート

 平成31年4月20日から21日にかけて愛南町一本松で黒帯セミナーが行われましたので、参加者を代表し森松道場の久枝がレポートさせていただきます。
ファイル 472-1.jpg
~一日目稽古:壮年部審査~
 薫風を受け、車を1時間ほど南に走らせると田園風景が広がってきました。早稲が植えられた田面には春を通り越して夏を思わせる日差しが力強く突き刺さっていました。
 私は壮年部昇段審査受審及び黒帯セミナーに参加するため愛南町に向かいながら、いろいろな意味でアツい一日になりそうな予感がしていました。
 本年の壮年部の昇段審査の受験者は竹本さん、畠山指導員、熊田指導員、藤田指導員そして私(久枝)の5名でした。
 昇段審査は、道場訓の筆記試験からスタートし、その後、基本と移動の審査に進みました。壮年部の審査は受験者が最高範士のすぐ前に立ち、その後ろに師範をはじめセミナーの参加者が並び、基本と移動を全員で行うスタイルです。私も過去後列の端で一緒に参加させていただきましたが、今回は最前列で稽古が進んで行きました。この体制で稽古を行うということは、先輩方の気合を自分の背中で受け止める形になります。この先輩方の気合が非常に熱いもので、我々の審査に対するやる気を鼓舞するに十分なものでしたが、少しでも気を抜くと後ろからの熱い気合に飲み込まれそうになり、いつも以上に気の張った稽古が進みました。気温も暑い、稽古のテンションも熱い、緊張も相まって普段かかないような汗が大量に噴きこぼれました。それでも、最高範士にペースをコントロールしていただきながら型まで審査は進み、私は何とか他の4名の受験者の方は見事に完遂しました。
 ただ私が審査終了時点にすぐ思い浮かんだ言葉は「未だ木鶏たりえず」(いまだもっけいたりえず:木で彫った鶏のような物事に動じない状態に離れなかったという意味、横綱双葉山が69連勝でストップした後知人に打電したというエピソードがあります)でした。双葉山の言葉を拝借して恐縮ですが、型等で周囲のペースに惑わされ、思うように身体が動かず自分の弱さを実感させられ、まだまだ修行が足りないと再確認させられました。
ファイル 472-2.jpg 
~二日目:早朝稽古~
 一夜明け、早朝の稽古は駐車場にて野外稽古でした。昨年までは私服での稽古でしたが今年は道着での稽古となりました。稽古についてはヌンチャクを使用した、「雷神」を行いました。起きてすぐヌンチャクを振り回していると、ときどき身体の変なところにあたってしまって、急に目が覚めるといった状態でしたが、愛南町の里山で空手着姿の一団が普段の生活では思いっきり取り扱うことができないヌンチャクを「ブゥン」と唸りをあげながら振り回す、一言でいえば非日常そのものでした。普段とは違った開放感を味わいながら楽しく稽古をすることができましたが、駐車場に入ってきた職員の方の微妙な視線がなんとも言えなかったところです。
ファイル 472-3.jpg
~二日目:最高範士稽古~
 二日目の最後の稽古は軽く基本を行った後、ヌンチャクの稽古を行いました。基本では普段の高見空手とは違った身体の使い方を沖縄唐手のメソッドを参考に指導していただきました。他の武道の身体の使い方は普段と違うため違和感は禁じえませんが、合理的な部分もあり、いろいろな身体の使い方を知った上で普段の稽古を行うことでより理解が深まり、非常に有意義な稽古であったと実感しています。
 ヌンチャクに関しては今回新たに「ヌンチャク初段」及び「ヌンチャク弐段」を指導いただきました。この稽古を通して、南條師範がブルース・リーばりにヌンチャクの達人であることを再確認しながら、ブルース・リーに憧れた友人が持っていたヌンチャクを借りて遊んでいた中学時代を思い出し(私が憧れていたのはザ・グレートカブキでしたが)、自分の故郷にも似た環境の愛南町の風景も相まって懐かしい気分になりました。
 そのようのことを考えているうちにセミナーの全稽古は終了。写真撮影、おいしいお弁当をいただき全日程が終了しました。
ファイル 472-4.jpg
~雑感~
 昨年のレポートでも触れましたが、この合宿は参加者がすべて大人であり、全体のスケジュールにも余裕があり、一日目の稽古終了後にはゆっくりと温泉に入浴する時間があり、入浴後には非常に美味しいビッフェ料理とアルコールをいただきながら、懇親会が開催されました。懇親会では藤田先輩の年齢に驚いたり、平松師範からありがたい言葉をいただくなど思い出に残る時間を過ごすことができました。ただ、懇親会終了後の部屋での集会で大野指導員を置いてけぼりにする形になり御迷惑をおかけしました。この場をお借りしてお詫び申し上げます。
 それも含めて、最高範士をはじめとして普段なかなか会話することができない諸先輩方と話しをする機会をいただき、今後の空手人生の指針を考えたときに有意義な時間を過ごせたと感じております。
 
~謝辞~
 最後にセミナー全般にあたり懇切丁寧に指導していただいた高見最高範士には感謝の意を表します。
 また、金澤師範についてはこのセミナーの準備全般に御配慮いただきありがとうございました。
 おって、壮年部昇段審査を黒帯セミナーに合わせて実施することに腐心していただき、私に空手の目標を与えていただいた平松師範には改めて深謝申し上げます。
 前回までは私が一番の若輩者となることが多かったのですが、今回のセミナーでは大西道場の渡部1級(中学生)が参加されるなど若い方の参加者も見られました。私が若い方の見本になるには時間がかかるかと思いますが、師範方が一堂に会するこのセミナーに今後も若い方にも参加いただけるよう期待しております。
 最後に私も今後とも高見空手を通じ、人間的に成長すべく、諸先輩方、また道場生の皆さまと一緒に稽古に励みたいと考えております。
 押忍。
 森松道場師範代 久枝弘幸
ファイル 472-5.jpg

▲ PAGE TOP