やっとこの昇段審査という場面を通り過ぎる事が出来た。これが嘘偽りない今回の本心です。
昇段審査にあたって、万全の体制でそれに臨む事が出来る人とそうでない人…。自分は後者でした。
最高範士が以前 "試合前に不安があるのは準備が出来ていない証拠ですよ" と言われていた事があり、(試合ではないものの)まさしく自分に当てはまると思いました。
しかし今回、この昇段審査を受けさせて頂くにあたって、逆にこの不安がある事が自分にとっては成長の糧になりました。日常生活でも仕事の事などで辛い状況はたくさん経験してきましたが、昇段審査はまた特殊な部分があります。審査が近づくにつれて、無意識のうちにストレスがかかっていた様に思います。不安を打ち消すために道場稽古がない日は自宅で自主稽古をし、少しでも時間の節約もしようと、仕事の行き帰りはランニングでの通勤でした。しかし、下肢の疲労骨折や股関節に炎症を起こしてしまい、走れなくなったりと、正直なところ色々な問題との戦いでした。審査の三週間前には受けるのやめようかと何度も思いましたが、二週間前にある事があり、周りの人達に今回の事で助けてもらった事、迷惑をかけていたりした事を改めて認識し、今受けないとそれが全て無駄になってしまうと思い、心を決めました。そして、その様な事全てが成長に繋がりました。
当日の審査では、時間の経過が非常に遅く感じました。緊張の中、基本稽古、移動稽古、型と進み、最後の組手の審査。正直なところ、早く呼ばれたかったのですが、最後の番になりました。体力的な部分で辛かったですが、最後まで貫通出来て、本当に自分にとって良い経験になりました。この日の為に集まってくださった諸先輩方に心から感謝申し上げます。
今回の昇段審査にあたり、学んだ事は他にも沢山ありますが、特に時間の大切さと積み重ねは、本当に大切だと思いました。時間を生み出す事には犠牲を伴い、積み重ねる事には忍耐が必要でした。そしてもう一つが周囲の人達の協力でした。絶対に1人の力では無理でした。私の妻もあまり文句も言わず、本当に感謝しています。
また、子供達ともあまり遊ぶ時間も作れず、すみませんでした。そして、宇和島道場の諸先輩方にも協力をして頂いて感謝の限りです。水曜日の稽古に何度か足を運んで頂いた金澤師範、昇段審査の事で指導してくださった中里師範、型の指導をしてくださった石河師範。本当にありがとうございました。また、猪﨑師範代が航海で不在の中、指導してくださった山口先生、畠山先生、黒帯の先生方ありがとうございました。
最後に、この様な貴重な経験をさせて頂いた総師、最高範士に心から感謝申し上げます。
昇段審査が終わった後、最高範士から大変ありがたいお言葉を頂き、又、総師からもお祝いのお言葉を頂きました。ありがとうございました。ここからを新しい起点として、今後も稽古に励んでいきたいと思います。押忍!