この度、4月28日・29日の昇段審査会・黒帯セミナーにおいて昇段受審の機会を頂き、結果参段位の認可を頂くことができました。
高見総師、最高範士を始め、日頃より支えて頂いている師範・先輩方、本当にありがとうございました。
審査の折、最高範士がお話されておられた「昇段するという事は、その段位の力量があるからと言うことではなく、帯を締めてそこを目指すと言うことです。」と仰っておられたことを思い出し、これからは、そこに向かって行く門が開かれたと考え、一歩ずつ長い道のりを進んで行くことになると改めて感じた次第です。
しかし、少し不謹慎かもしれませんが、正直なところ受審のプレッシャーから解放され、今は少し安堵しているのも正直な気持ちではあります。
昨年、総師から「セミナーに参加し昇段審査を受審するように」とお言葉を頂き、また合宿の折にも最高範士から同様のお言葉を頂きました。
これまで仕事の都合で秋季セミナーに参加できませんでしたが、開催時期をご考慮頂いた結果、この度、受審の機会を頂くことが出来ました。
審査を受けること自体数年振りで、できるだけ落ち着いて臨もうと考えておりましたが、受審者が本部道場の三原先輩と私の二人だけと言うこともあり、終始、緊張の中での審査となりました。
審査前は、できるだけ「いつもの稽古どおりに」と考えておりましたが、やはり緊張のため、かなり力んでいたようで、審査中に石河師範(野村道場責任者)から「固いですよ!」とアドバイスを頂き、できるだけ脱力するよう心掛けましたが、その後も十分には心と体をコントロールしきれていなかったと思います。
やはり普段の稽古とは比べようもなく緊張し、いつも以上に力が入っていたようです。
自分自身では、審査であれ普段の稽古と同様の動きができることがベストであると考えておりましたので、普段の稽古から、ある程度緊張感を保ちながら稽古を行おうと考え取り組むつもりでおりましたが、気づくと十分に集中できていない場面が時折あり、まだまだ修行が足りていないと感じておりました。
大人になり、「試験」とか「審査」とかの機会が余りない事を考えると、このような緊張感の中、師範、先輩方と共にセミナーの中で審査して頂いたことは私自身、とても良い経験となりました。
後で考えると、自分自身、気持ちをコントロールできず緊張してしまうのはある意味当たり前の事ではあったと思います。
それと言うのも、日頃の生活の中、仕事や稽古の様々な場面で、自分自身が必要以上に緊張したり、相手に伝えるべき内容が十分に伝えきれなかったりということが多々あり、心をコントロールすることの難しさを感じていたからです。
そんな時、出会うことが出来たのが、高見空手ホームページに連載中の「正拳コラム」で紹介されておられたU.S.大山空手の大山泰彦最高師範の御言葉でした。
大山最高師範の「心をコントロールするのが武道だ!」と言う一文でした。
拝読した時に、とても心に響いたことを今でも強く記憶しています。
それ以来ちょっとした機会に思い出しては自分自身に言い聞かせておりますが、緊張を緩めようとすればするほど、逆に緊張してしまい、まだまだ上手くコントロールできません。
仕事・稽古問わず、自分自身の心と身体のコントロールをうまくできない自分にとっては有難いお言葉で、今回の審査でも結果強く感じたことでした。
心と身体をコントロールすると言うことは「自分を粗末に扱わない。」と言うことだと思います。
これからは「心と身体のコントロール」が出来るようにすることを稽古と共に一つの目標として前進して行かねばと考えております。
もう一つ、私の中にいつもある言葉。それは、総師がいつも仰る「基本が一番大事である」という事です。
十七年前、高見道場の門をくぐり、入門当初から総師に稽古をつけて頂き、稽古の中で「基本が一番大切である」「基本に全てが入っている」とよく指導されてきました。
それは現在でも変わりません。
高見空手では、型、武器術、投げ技、組打ちなど様々な技術をご指導頂けます。
一見すると派手な技術も「基本稽古を丁寧に行い続ける」ことで習得も早く、実は自分の理想に近づきます。
自分自身、稽古を積み重ねてきた今、その事をより強く感じるようになり、その「一番大切な教え」は、これまでも、またこれからも変わることはありません。
迷った時は「基本に帰り」「基本に学ぶ」を心に日々の稽古に臨んで行きたいと考えております。
道場で、また稽古の中で、多くの方々と知り合うことができ、稽古で汗を流し、仕事のストレスを忘れ、仕事以外のところで充実した人生を送ってこられたのも高見空手との出会いがあったからこそです。
これからもこれまで同様変わることなく日々稽古を積み重ねて参りたいと考えております。
私よりも年長の先輩方が沢山おられる中、年齢の事を言うと叱られそうですが、年齢により少しずつ体力の衰えを感じているのも正直なところです。
今後は、年齢による衰えに負けないよう逆に技術を少しずつでも磨けていけるよう努力し、自分自身の心と身体と向き合いながら、正直に稽古を続け、長い道のりを一歩々、歩んでゆきたいと考えております。
最後になりましたが、今回の受審に際し、わざわざ宇和島道場まで出向いて頂き「型稽古」「移動稽古」の細部をご指導頂いた石河師範、セミナーの開催時期をご考慮頂いた金澤師範(最古参師範のお一人)。毎日ご自身の道場の稽古がある中、毎週木曜の稽古を宇和島道場でご指導頂く中里師範(住吉・宇和・大洲道場)に厚くお礼申し上げます。有難う御座いました。
総師、最高範士を始め各道場師範の先生方にもこれまで同様ご指導頂きたくお願い申し上げます。
文末になりましたが、いつも理解と協力をしてくれる妻に心より感謝を伝えたいと思います。
以上、昇段の報告とさせて頂きます。押忍