私が初めて入門したのは極真会館北九州支部でした。大山倍達総裁がご存命の時の極真会館です。
北九州に単身赴任した四十四歳の時でした。支部が開設されて一年目の時でした。
見学に行き一時間程経った時、師範が「どうですか?」と声を掛けてきたので、次から来ますと返答すると「今日から稽古して下さい」と言うなり直ぐに道場生に私に合う道衣を持って来させました。私もその気になり残り一時間ほど見様見まねで稽古して帰ったのが始まりでした。
二年後、愛媛県に帰り、松山市にある極真会館愛媛県本部道場に入門した時は驚きの一日でした。
何故なら、九州では体育館なので借りている時間のみしか照明が点灯せず、暗い所で着脱衣しました。稽古は何時も色帯の道場生だけで基本稽古をして、終わる頃に師範が来られて移動稽古等を行い、終了していました。
愛媛県本部道場では、最初から最後まで師範に指導して貰えますし、掃除まで一緒にしてくれます。直ぐに「この人を先生にする!」と決めました。
入門して稽古に励みましたが、三十歳代からの睡眠障害がひどくなり、早く寝ないと翌日の仕事に影響があるため、仕方なく通常稽古で帰っていました。
初段を頂いて十三年間、その後の昇段審査を受審する程の技量が身に付かず、定年で退職になるまでと思って辛抱し、一昨年の退職を機に稽古に集中出来るようになりました。この状況になると翌日の仕事を考えなくても良いので、最高範士に昇段審査を受審したい旨をお伺いすると快く承諾頂き有り難く思いました。
常日頃、自分だけの事は「敵は自分の中にある!」と思っている私ですから、これでパワー全開でやれると思いました。
前置きが長くなりました。道場は金曜日が自主稽古の日です。覚えのわるい私ですが、最高範士に一生懸命に指導して頂き、最大の課題であった片足でのバランスのとり方のヒント、又、回った時の足の位置、引手が如何に大切であるか等、大きく飛躍出来たのを実感しました。通常の稽古日は藤田先生、谷口先生にも指導して頂き、道場生の方々にもご協力、応援をして頂き本当に有難うございました。
さて、審査ですが、動作を一動作毎にイメージして、自分に言い聞かせました。苦手な所は特に意識して、一つ一つの動作を大切にしました。過去のスポーツの経験上、本番では練習、稽古の八十パーセントの力が出せればまずまず納得できます。それぐらいは出せたかなと思いました。
今回の稽古で、最高範士のアドバイスにより、忘れていた大切なものを取り戻しました。
それは何時の頃からか自分の可能性を自分自身で限定してしまっていた事でした。
アドバイスを受けた時、「こんなはずでは?」と思い出させてもらいました。又、筋トレをして体全体の力が若い時程ではありませんが強くなり、毎日の生活に関する事も楽になりました。今後も続けて行く所存です。
審査の合格通知を受け取り、あらためて「今後も精進しなさい」との事だと受け止めております。終わりは新たな始まりです。
これからも稽古ができる環境にあることに感謝し、今後共精進致してまいります。何卒ご指導宜しくお願い申し上げます。押忍
これまでも、そして今回の昇段も妻の理解と協力なくしてはありえませんでした。
ありがとう。