『過信することなく謙虚でいること』
常に疑問を持つこと、今度やろうと思うなら今やること必ず出来るようになると自分を信じてあげること、息子の怜士に口うるさく言っていることです。もちろん自分にも。
怜士と道場の門を叩いてから丸七年が経ちました。
強くなりたい、そう思うようになったのは早くに病気で亡くなった父の影響が大きかったかもしれません。
入門して初めての審査のことを今でも覚えています。不安による緊張や大勢の前に出る恥ずかしさ、けれど緑帯くらいになると緊張を楽しむようになっていました。不安になるのは稽古不足の証だと思い、毎回の稽古は常に審査だと思って取り組みました。常に一対一で稽古していると思いなさい、最高範士の教えです。
私は本部道場所属で最高範士の指導という最高の環境で稽古をすることが出来きました。
だから範士の教えは真剣に聞き、基本、移動、型の細かな動きも偸もうと思いました。
三級になった時、この年の昇段審査には必ず出ると決めていました。その頃から市坪道場にも足を運ぶようになり、本年早々から本格的に昇段に向けての稽古が始まりました。前屈立ちは誰よりも低く、体幹を常に意識し、腕立ては絶対にやりきる。審査が近づくにつれ他の道場の方から声をかけていただくことが増え、何より励みになりました。
当日の筆記試験の時、いつものように上手く字が書けないと思っていたら手が震えていました。
想像していたより緊張しているのにこの時気付いたのです。しかし、この緊張感は昔味わった不安による緊張ではなく、
緑帯の審査の時のような良い緊張感でした。日々の稽古への取り組み方で苦楽が決まる、そう教えてくれたのも最高範士でした。審査が終わった時、他支部の師範より『高見空手を見ることが出来た。』と言葉をいただきました。
今でも思い出すと涙が出そうになるくらい嬉しい言葉です。
先日合格の通知をいただきましたが、後悔の無い審査だったとは言い切れません。
実際今でも納得のいく追い突きが出来ない…。だからこれからも今までと同じように稽古に取り組もうと思います。
やっと一人で立つことが出来るようになった程度で、これからまた一歩一歩と前へと進むための稽古が始まります。
たくさんのことを教えていただいた高見最高範士、心より感謝いたします。
千葉師範代、熊田先生、何度も背中を押してくれたから最後までやりきることが出来ました。
そして、一緒に稽古してくださった先生、先輩方、応援してくれた他の道場生、審査を見に来てくれた会社の同僚にこの場をお借りして心よりお礼申し上げます。
最後に、私の稽古にずっと付き合ってくれた怜士、本当にありがとう。
写真中央右:大塚仁美初段