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中里 美悠 初段 昇段レポート

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 はじめに今回、昇段審査の機会を与えていただいた高見総師、高見最高範士、中里師範どうもありがとうございました。

 昨年、師であり父である中里師範から「来年は黒帯目指して頑張ってみようか。」と言ってもらったのですが、うれしさよりも不安のほうが大きかったです。
 それは、今まで黒帯に挑戦してきた先輩方が、すごく厳しい稽古をしているのを見てきたからです。チャンスはもらいましたがその後、待っていたのは「試練」でした。

 小学生の頃から選手クラスの稽古にもずっと参加していて体力には自信があったのですが、昇段稽古はまったくの別世界でした。
 前に兄から「お前は、自分が頑張っているつもり、やってるつもりなんだよ!」「そんな事だから、師範に組手の相手もしてもらえないんだよ!師範や先輩がかけてくれる言葉に気付けよ。」って、突き放されたことがありました。図星でした。
 一時期、私は「だって」「でも」という言葉が口癖になっていた時がありました。結局は言い訳です。師範や兄には、私の言い訳が全部見すかされていました。

 師範に「本物の稽古には、ウソやごまかしは通用しないよ!」と言われた事で、私の中で少しずつ意識が変わりはじめました。
 
 それまでは週2回の住吉道場だけの稽古でしたが、宇和、大洲、総師のいる宇和島道場の稽古に出させてもらうようお願いしました。
 師範からの条件ただ一つ「学校の宿題をちゃんと終わらせてからだったらいいぞ」でしたが、このあと待っていたのは、宿題がなかなか終わらないという試練でした。
 大洲道場は私の家(宇和島市)から遠く時間がかかるため、大洲では一部の少年部稽古のときは、体育館のロビーで宿題です。
 総師のいる宇和島道場の稽古も宿題が終わらないときは連れて行ってもらえませんでした。
 それからは、勉強も宿題も学校の休み時間やお昼休みに少しでも終わらせておこうと思って取りくむようになりました。
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 審査当日は、緊張して移動稽古の時も号令の前に動いてしまったり、組手も試合みたいになってしまったり反省ばかり残りました。
 周りの師範や先生方、たくさんの人に温かい声をかけてもらって最後まで頑張ることができました。

 組手審査の最後の相手が『父』でよかったです。
 怖かったけど、苦しかったけど、痛かったけど、言い訳ばかりしていた自分の弱い心には負けませんでした。
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 審査が終わり数日後、昇段審査合格の通知を最高範士にいただきました。父の携帯電話をかりて、その日に初めて最高範士に電話して、お礼を言いました。最高範士に「美悠ちゃん、おめでとう。」と言ってもらいすごくうれしかったです。
 父は「今年は(イヤミな感じで)、頑張ったな」と相変わらずの毒舌でした。

 私のこれからの目標は、同じ道場で稽古している岡田彩果先輩です。現役の女子部のチャンピオンで、今回の昇段審査で弐段にもなった尊敬する先輩です。
 彩果先輩の頑張りは毒舌の師範も認めています。これまで師範や彩果先輩の稽古にはレベルが高すぎてついていけないと思い込んでいたけれど、これからは、追いかけて行きたいと思います。
 
 いつもいっしょに稽古してもらってる住吉、宇和、大洲、宇和島道場の先生、先輩、道場生の皆さんありがとうございます。
 高見成昭総師、事務長さん、いつも優しい言葉をかけてもらってありがとうございました。

 高見彰最高範士へ
 私は、これからは『空手一本』で頑張って行こうと思っています。武器術も大好きです、たくさん指導してください。
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 最後にお父さんへ
 私がここまで空手を続けてこれたのもお父さんのおかげです。
 これから私がどれだけ頑張れるか分からないけれど、今自分に出来る事で少しでもお父さんの手伝いができればいいなと思っています。
 私たち家族や道場生、みんなのために、いつも自分の事は後回しにして、ほとんど休みなくお仕事も空手指導もしていて、お父さんの体調が心配な時があります。
 お父さんは周りの人たちに「頑張りすぎるなよ」「無理するなよ」と言っているけど、一番無理しているのはお父さんだと思います。
 だから、これからは美悠も自分のできる限りのことはするので、お父さんといっしょに頑張り、無理をしすぎず、空手を続けていけたらうれしいです。

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