高見空手昇段審査を受審させていただき、先日、初段合格の通知を頂くことができました。
約1年前に師である宇和島道場の中里真也師範から「次の審査を受けましょう。」と言って頂きました。その時、最初に湧き上がってきたものが嬉しいという感情でした。
もちろん、審査当日までの稽古に自分は耐えられるのか、それまでに必要な技術を身につけられるのか、そして昇段審査を最後までやり遂げる事ができるのかという不安もありました。
しかし、道場に通う上で1つ明確な目標ができた事、私とは別次元にあると思っていた昇段審査が少し近くなったという事の方が遥かに大きく、それが、嬉しいという感情で湧いてきた理由でした。
それから、もう一つ大きな理由がありました。それは環境が整い始めていた事でした。その頃の私は仕事、家庭、新しい生活に慣れ始め、そこに週に2~3回の稽古が入っても大丈夫なように調整出来るようになっていた事でした。
結婚前までの私は、森松道場の平松伸彦師範・廣子師範の元で稽古に通っていましたが、仕事の都合や体調不良により、週に2回の稽古もちゃんと受けられた事はほとんどありませんでした。
週に1回約20~30分の居残り稽古に間に合えばいい方という時期がほとんどでした。短い稽古時間でしたが、その分集中して時間を無駄にはしませんでした。平松師範・廣子師範には基本や移動稽古を細かく丁寧に指導していただきました。
うまくいかない時があっても道場に行くことが楽しかったので、日常生活で多少嫌な事があっても稽古が終わる頃には気持ちがすっきりして、明日からも仕事頑張ろう!とリセットできていました。
それから、少ししか稽古に参加できなかったのに、たまに顔を出せた時は「よく来たね。」と師範方や道場生の皆さんが温かく迎えて下さったのも嬉しかったです。
都合がつく時は、次も道場に行くようにしようと楽しみになりましたし、元気をもらっていました。
このような状態でしたので、組手やミット、スタミナ稽古などに手が届くこともなく、一道場生として出来ることのバランスが悪かったと思います。もっと稽古に通うことが出来たら・・・という気持ちがありました。稽古に通える環境が整っている方々がとても羨ましかったです。
このような経緯がありましたので、中里師範から昇段審査のお話しを頂いた時には、この機会を逃すべきではない、今逃したら2度と来ないと思い、受ける決心をしました。
決心をしたその日から審査に向けた稽古が始まりました。それまで手付かずと言ってもよかった組手稽古、筋トレ、スタミナ作り、特に当て身の稽古は辛くて、自分の体力、筋力、スピード、センスのなさを毎回痛感させられました。
心が折れそうになった時には、少し前までの稽古に通いたくても通えなかった状況の悔しさに比べたら、まだいい方だと言い聞かせました。
昇段に向けた稽古は決して甘いものではありませんでしたが、この頃から参加し始めた合宿や帯研での稽古が楽しくて仕方ありませんでした。
昇段審査本番では、緊張で体が思うように動けないまま過ぎていき反省点ばかりが残りましたが、自分がやる!と決めた事に集中出来たこと、それが出来る環境に今自分がいる幸せを噛みしめられた内容の濃い1年間でした。
最後に中里師範、平松師範、廣子師範へ
何の取り柄もない私に、時に厳しく、時に優しく指導して下さり本当にありがとうございます。
師範方のご指導があり、いつも見守ってくださっていたから、昇段審査を終えた瞬間「10年間稽古続けてよかった、辞めなくてよかった。」と思えました。これからもご指導よろしくお願い致します。
それから主人へ
あなたの理解がなければ、初段合格どころか、普段の稽古に通うことも合宿や帯研に参加する事も出来ませんでした。
いつも快く送り出してくれてありがとう。忙しい毎日を送っているのに協力してくれてありがとう。