今年も冬季合宿(1月10日・11日)から高見空手の恒例行事がスタートしました。
合宿場のある愛媛県大洲市は、雪の多い所ですが幸いお天気にも恵まれた2日間になりました。
今回は内弟子の碧依さんがお休みの為、私、丸山哲也(大西道場責任者)がレポートいたします。
合宿初日の夜に最高範士より「ジャズミュージシャンのまる師範!レポート宜しくお願いします」と仰せつかりました。
それでは、押忍とジャズの精神で書かせて頂きましたレポートをお読みください。
今回の合宿では大きく3つのご指導を賜りました。
1つ目は投げ技をご指導頂きました、高見空手には『基本四投技』と言う投げ技の基本がございます。
今回の合宿はこの投げ技がメインの稽古となりました。
高見彰最高範士の見せながら説明を加える形がとても分かりやすく、一般と女子部は真剣な中にも楽しく稽古ができました。少年部に関しましては、投げ技へ入る前に「受け身」の大切さ、投げ技の有効性と同時にしっかりと危険性(特に後頭部を守る等)の説明があった為か、緊張感の方が勝り上手く出来ず、指導を担当した私としましても、今後の課題になりました。
最高範士からは、失敗や上手くできない事があって「本気」になりますから、創意工夫しながらする稽古が、本番で力となり出て来ますとお言葉を頂きました。
話しを『基本四投技』に戻します。
ご指導頂いた順番から「廻し投げ裏」これは相手と掴み合いになった事を想定した投げ技です。上手く出来ない道場生に対し、力に力で対抗するのではなく、集中力を高め相手と一瞬同化する感覚を養ってください、それが基本四投技のコツです。「集中力」と「勇気をもって力を抜く」との実演を交えたご説明でほとんどの道場生が急に技が決まり出しました。この「集中力」と「同化」が高見空手の特徴です。
次は「廻し投げ表」です。
これはタックルしてくる相手のバランスを崩し、投げるという技です。これも只単に投げ技と言うでけではなく、捨て技を使い、崩してから決め技と言った高見空手の基本的な考え方を学べる形になっております。
初日から内容の濃い大変有意義な合宿になりました。
これにて合宿初日の稽古が終了いたしました。
このあとは、お風呂(少年部大喜び)、夕食(バイキング/少年部大喜び)、そして私達各道場責任者は会議(最高範士より様々な草案を頂く/有難い)となり就寝です。
明日は4時半起きかぁ~、と思いながらも私はいつもと同じ時間でないと眠れないんですねぇ。
最終日の朝は少年部も全員参加で早朝5時半から稽古開始です。
ご指導2つ目は、本年から審査時の『型規定』が変わる為、各級に合わせた型稽古が行われました。
まず全員で最高範士の号令のもと、武器術も含めご指導頂きました。
武器に関しては、扱う際の心得や歴史などもご説明頂き、技術と共に大変勉強になりました。
午前7時より他団体との交流、ラジオ体操そして朝食(バイキング/少年部疲れを知らない)
各部屋、宿泊棟全体の掃除を済ませ、最後の稽古が午前9時半~11時半まで行われました。
最後の稽古は基本、移動から入り、まずは「崩し投げ表」を稽古しました。
ラストは「崩し投げ裏」をご指導頂きました。年齢別に分かれて相手を代えながら今回学んだ投げ技を道場生同志、意見交換をしながら創意工夫の稽古で技術稽古終了です。
そして2015年冬季合宿の締めは高見空手オリジナルの『道場訓』です。
完成まで約1年掛り、高見成昭総師、師範、多くの皆様のご意見ご感想を頂き出来たばかりの『道場訓』初めての唱和に何処となく照れくささも感じておりました。
「一に曰く、惻隠の心は…」と始まった途端、私の照れくささは、いきなり驚きに変わりました。
100名以上の道場生全員が綺麗に揃って唱和している事に驚きと力強さを感じました。
稽古後、少年部たちが意味も分からず、楽しそうに覚える競争をしていたことにも驚きました。
最高範士曰く、武士の子供たちは武術と同時に「四書五経」などしっかり勉強もしていたんですよと笑いながら仰って食堂に行かれました。
昼食後は稽古で汗を流した武道場で解散式です。
こちらも恒例の記念品を最高範士より一人一人にお渡し頂きました。
最高範士の挨拶の中に、少年部と一般部以外の道場生に対し「記念品は封を切らずに持って帰ってください。頂いた嬉しさと同時に、合宿に来させて頂いた親に感謝をすることが大切です。感謝の言葉を添えて記念品を貰った報告をしてから使ってください」とお話しを頂きました。私の好きな武道がここにあります。
隊長をされた平松伸彦師範(森松)からも「一般の方はご家族に、ご主人に奥さんに感謝を言葉にしてください。私は夫婦で参加なので誰に感謝して良いかわかりませんが(笑)」と締めの言葉を頂きました。さすが私が尊敬する先輩ミュージシャンです。
こうして凛とした中にも楽しい合宿が無事終了いたしました。
今回の記念品は「ピンク刺繍のネックウォーマー」を頂きました。
ピンクの刺繍に女子部のみなさんから喜びの歓声が上がっておりました。
それから、高見彰最高範士が考案された『女子の化粧帯』を平松廣子師範(森松)が締めて稽古され、女子部の注目を浴びておりました。
今年一年も、皆様と精進できる喜びを感じられた良い冬季合宿でした。
レポートの最後にあたりまして
ご指導頂きました高見彰最高範士、師範、ご参加頂きました道場生の皆様、撮影と運営をされた総務課、WEB課の皆様に心より感謝申し上げます。
空手道 高見空手 大西道場責任者
師 範 丸山 哲也