空手道 高見空手 本部・市坪道場
石川 栄一 初段
この度は、昇段審査受審の機会を与えて頂きありがとうございました。
私が、高見空手の前身である極真会館愛媛県支部天山道場に入門したのは、37歳の時でした。
当時、私は運動不足から来る体力の衰えに悩んでおり、それを解消するために天山道場の門を叩きました。
入門の際には「37歳の自分に、あの激しい極真空手が出来るのか?」「激しい稽古についていけずに早々に辞めてしまうのがオチではないのか」という不安がありました。
しかし、天山道場での故長谷川忍師範代の懇切丁寧な指導を見学させていただき「これなら自分でも、なんとかついて行けるかもしれない」とその場で入門を決めました。
それから約7年が経ちました、天山道場生の一般部で現在の高見空手に残っているのは、私一人となってしまいました。
今回の昇段受審まで、なんとか空手を続けてこれた事には自分でも正直、不思議な感じがしています。
天山道場から本部道場に稽古の場を移し、現在の師である高見彰最高範士から精妙な御指導を賜り、高度な武道思想に触れさせて頂き、今回の昇段受審となりました。
しかし、私がここまで続けてこれたのも、空手道という「道」の始まりに、心から「空手が好きだった」長谷川忍師範代という師との出会い、そして師の他界により受けた苦しくも厳しい衝撃があったからこそだと思います。
今回の昇段を長谷川師範代と現在の師である高見最高範士に深く感謝致しております。
今回、初段位を允許していただきましたが、昇段審査の内容は、自分自身決して満足できるものではありませんでした。
基本、移動、型、組手が終わる度に、昇段審査という場とはいえ、こんなにも自分は動けないものなのかと暗澹たる気持ちになりました。
昇段審査前には持久力強化のため、本来はボクサーがロードワークするように走ることが一番良いのでしょうが、私は体重があるので、膝のことを考えプールで泳ぐことにしました。
また、組手のことを考え、息が上がらないように普段から呼吸を意識しました。
組手中は、相手に悟られないようにヘソ下三寸、その中三寸を意識し、緩やかに息を吐くたび、イメージで「丹田」に意識をスッと落とすように心掛けました。
今回の昇段審査を通じ、自分の至らぬ点、課題を改めて自覚させて頂きました。
今後少しでも理想とする動きのイメージと、実際の動きとの食い違いを埋められるよう工夫、努力し、少しでも空手道における「心技体」が向上するよう、努めてまいりたいと思います。
最後に、いつも御指導頂いている高見彰最高範士、石川考雄師範、お世話になっている神﨑先生、黒帯の先生、先輩方。
一緒に受審した千葉師範代、熊田先生、吉井先輩そして自分と同じ一級の方々。
一緒に稽古している一般部、少年部の皆さんにこの場をお借りして厚くお礼申し上げます。
そして今でも師である長谷川師範代に感謝申し上げます。
有難うございました 押 忍。