平成26年9月27日、長島正明先生という外科医の先生が宇和島道場に総師(高見成昭)を訪ねてお越しになられました。
長島先生と総師は、44年前に一緒に黒帯(初段位)を取った仲で、長島先生は前々から総師に会いたいと思っていたところ、高見空手ホームページをご覧になられたのを機に、今回、わざわざ九州からいらっしゃり40年ぶりの再会となりました。
そして先生は、当時の写真をお持ちになり、総師と思い出話に花が咲いて時の経つのを忘れた一日となりました。
昭和45年(1970年) 長島正明先生(28歳)、総師(31歳)
当時、宇和島市立病院の脳外科でご勤務されていた長島先生とは、休日を合わせ稽古をしていました。
40年振りに旧交を温める長島先生と総師の姿に、私は、共に汗を流し稽古した修行仲間との友情の素晴らしさ、ご縁の大切さを改めて感じました。
『道』を志す者の心得として、
『論語』に以下の有名な言葉があります。
子曰く
学びて時にこれを習ふ、また説ばしからずや。
朋有り遠方より来たる、また楽しからずや。
人知らずして愠(うら)みず、また君子ならずや。
この孔子の言葉そのまま、かつて空手道という『道』を共に学び修行した朋(友)が、わざわざ遠方から訪ねて来る。これ程、嬉しく楽しいことはありません。
また、先日の正拳コラム『剣魂歌心』と近い言葉に『鬼手仏心』があります。これは「患者を救おうとする仏心によって、鬼のごとく残酷にメスを振るう」という医道の意味もあります。
今なお現役の脳外科医として福岡の医療最前線で気を吐く長島先生は、総師と一緒に修行研鑽した空手道の武道精神が『鬼手仏心』となってメスを振い、ご活躍されているのではないでしょうか。
肝胆相照らす友は人生の宝です。
道場生の皆さまには、幼なじみや学友、遊び仲間とは違う、同じ空手の『道』を志す修行仲間、道友との『ご縁』も大切にして、益々、稽古に精進して頂けたらと思います。
長島正明先生 ありがとうございました、押忍!
高見彰 九拝